西村康稔氏が“抜け駆け”で政倫審出席のウラ…裏金事件めぐる安倍派若手の反乱に「5人衆」真っ青
大山鳴動「やや大きな」ネズミ2匹では、やはり話にならなかった。自民党は20日、裏金事件を受けた衆院政治倫理審査会(政倫審)の対応をめぐり、安倍派座長の塩谷立元文科相と、二階派事務総長の武田良太元総務相が出席する意向だと野党に伝達。野党が反発すると突然、夜になって安倍派幹部5人衆のひとりで事務総長経験者の西村康稔前経産相も、政倫審出席の意向を党側に伝えた。背景には、往生際の悪い5人衆に対する安倍派の中堅・若手による反乱の動きがあるようだ。
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野党は自民の裏金議員82人のうち、衆院側の51人全ての出席を要求。自民は当初、19日から対象議員にヒアリングし、出席の意向を示したのは塩谷氏と武田氏の2人きりで、残る49人は返答がなかったと野党に伝えていた。
「党のヒアリングなんて、建前です。対象である安倍派のベテラン議員でさえ、何も聞かされていないありさま。塩谷、武田両人の出席意向だって、真相は国対サイドによるピンポイント指名ではないか」(自民党関係者)
安倍派の座長とはいえ、実態は「名ばかり」の塩谷氏を差し出したのは、派閥の裏ボスとして君臨する森喜朗元首相の差し金ともささやかれている。
「森さんのシナリオは塩谷さんひとりに派内の責任を押しつけ、自分の息のかかった5人衆に傷を負わせないことでした。5人衆を守る森さんにも保身が見え隠れ。派閥ぐるみの裏金づくりは森会長時代の20年以上前からの慣習で、森さんはその経緯を知る重要参考人。5人衆が政倫審に応じれば、野党の追及が自分に連鎖するのは必至ですから」(ある自民党議員)
5人衆が政倫審出席に消極的だったのも、自分たちを引き立てたボスへの火の粉を払う狙いもあったはず。そんな5人衆の煮え切れない態度に、安倍派の中堅・若手は猛反発。西村氏が他の5人衆に抜け駆けして政倫審出席を伝えたのも、派内に燃えたぎる怨嗟の炎に抗しきれなくなった証拠である。