都市郊外に「平屋」ブーム 1軒800万円台から買える…狭小建売住宅へのアンチテーゼか?
「昭和40、50年代の戸建ては1階にキッチンと居間、バストイレのほか意味もなく立派な応接間があり、2階に家族の個室、さらに上と下にそれぞれトイレが設けられていました。その後、都市部では狭小敷地に建てられた2、3階建ての縦長の建売住宅が増えていきましたが、昨今は少子化、核家族化で余計なものがそぎ落とされ、洗濯や掃除など生活動線もシンプルで居住快適性の高さから、平屋が支持され始めているように感じます」
ただ、平屋は広い敷地を要するため、土地価格が比較的安いエリアでないと建築は難しいだろう。
「東京では土地面積30坪でも広いほうですが、建ぺい率50、60%だとせいぜい床面積で18坪(59.5平方メートル)程度の平屋しか建てられないため、スペース確保にはどうしても上に伸ばすことになります。近年はリモートワークが普及し、都心部ではファミリータイプのマンションが1億円を超える状況の中、郊外で広めの土地+平屋で生活するというライフスタイルも十分検討の余地があるように思います」(長谷川高氏)
都市郊外の平屋でのんびりと暮らすのも悪くなさそうだ。