フードデリバリーは曲がり角…出前館が6年連続赤字、ファインダインはサービス終了の衝撃
消費経済アナリストの渡辺広明氏はこう話す。
■否めない割高感…庶民の利用機会は減少の一途
「出前館の赤字は広告宣伝費や販促費の影響が大きい一方で、アクティブユーザーが2月時点で25%減少しているようにコロナ明けで利用者が減少しているほか、物価高騰の中、賃金が上昇しない人が多く節約志向がより強まっている影響が大きい。店や商品によっては店頭よりも価格が高く、配送手数料が上乗せされることから割高感は否めません。一部の富裕層やヘビーユーザー以外、店が近くにあるなら自分で買いに行く、食べに行く人が多いのは当然で、我々庶民はせいぜい雨の日や疲れている日の利用に限られるでしょう」
さらなる競争激化のほか、配達の担い手確保が難しい状況にあるという。
「ローソンが店内の弁当や日用品を最短10分で宅配するサービスを全国1万4600店での展開を目指すなど、他業態のライバルが増えていますが、一方で若者の人口が減少傾向の中、ギグワーカーの確保が難しくなっています。どうしても外出できないという人も少なくないことから、サービス自体がなくなることはないと思いますが、店側の手数料負担も重く、すでに淘汰が始まっています」(渡辺広明氏)
コロナで一気に拡大したフードデリバリー市場は転換期を迎えている。