「1ドル=160円」恐怖の円安がすぐそこに…米FRB年内利下げ1回だけの想定外
日銀の植田総裁も真っ青になっているのではないか。もう一段「円安」が進む恐れが出てきたからだ。
米FRBは、20日まで開いていた連邦公開市場委員会で年内に3回利下げをするとの想定を維持していたが、米アトランタ地区連銀のボスティック総裁が22日、FRBの今年の利下げは1回にとどまるとの見方を示した。
FRBが年内に3回、利下げをすれば、日米の金利差が縮まり「円高」になるとみられていたが、利下げが1回だけになれば、前提が崩れ、さらに円安が進行する可能性がある。経済評論家の斎藤満氏はこう言う。
■物価高は加速
「アメリカのインフレは予想以上にしつこくて、うかつに利下げできないのでしょう。実際、人件費増をカバーするために、サービス価格が5%も上昇してしまい、なかなか物価高が収まらない状態です。FRBのパウエル議長は、景気を優先したいホワイトハウスから“利下げ圧力”を受けるでしょうが、利下げをしたら物価上昇に拍車がかかる恐れがあるだけに、FRBの内部では利下げムードは弱まっています」