学びエイド 廣政愁一社長(1)カリスマ予備校講師から上場企業の社長に
「中学生の僕はこんな世界があるのかとビックリした。勉強とはこういうものなのだろうと思った。その取り組み方が少しずつわかってきたような感じがしたんです」
それまで通っていた中高一貫校は自分には合わない気がしていたので、内部進学せず受験して別の高校に進んだ。大学受験も真剣に考えるようになっていた。
「その頃は父の会社も傾きだしていたので、予備校のカネなどとても出してくれそうになかった。大学なんて行く必要はないというのが親の考えだったので、もし会社が順調でも出してくれなかったでしょうが」
廣政氏は独学で勉強するしかなかった。自宅でタダで学ぶ方法を見つけた。それはラジオである。旺文社の「大学受験ラジオ講座」(通称「ラ講」)、NHKの基礎英語や英会話などを活用することにしたのだ。特にラ講は廣政氏にとってはバイブルのような役割を果たした。
毎日2コマずつあるラ講を一番安いカセットテープに全部録音して、ライブラリーにした。それを必要な時に何度も聞き直して勉強した。(つづく)
(ジャーナリスト・田中幾太郎)