米大統領選は終わったのに…バイデン大統領が日本製鉄のUSスチール買収「阻止」のナゼ
石破も先月、バイデンに買収の承認を求める書簡を送ったとされる。だが、バイデンは一顧だにしていないようだ。選挙が終わったのに、なぜバイデンは反対し続けるのか。上智大教授の前嶋和弘氏(現代米国政治)は「元々、無理筋でした」と言って、こう続ける。
「日鉄が買収計画を出したのは昨年12月。大統領選の予備選が本格化するタイミングでラストベルトの労組を敵に回すのは、むちゃな話。最初に買収計画に反対したのは、民主党の上院議員です。大統領選が終わったからといってバイデン氏が賛成に転じたら、『民主党は嘘つき』と非難の的。トランプ氏に売国奴と言われてしまう」
日鉄はきのう、買収完了後、USスチールの米従業員に1人5000ドル(約76万円)のボーナスを支給すると発表した。
「今の米国でその金額はどうなんでしょう。逆効果かもしれません。米映画『ガン・ホー』(1986年公開=日米の自動車摩擦を描いた)の舞台となったペンシルベニアは『対日』が一番激しい地域。今もあの感覚がある」(前嶋和弘氏)
バイデンが最終決断したら、ゲーム終了か。