自民党総裁選候補9人の「推薦人名簿」で見えた“裏金隠し”と旧民主党系議員の悲哀
自民党総裁選(27日投開票)が12日告示。猫も杓子もで、結局、過去最多の9人が立候補を届け出た。それに伴い各候補20人ずつ、総勢180人の推薦人名簿も公表されたが、よーく見ると、候補や推薦人それぞれの複雑な党内事情が浮き彫りになってくる。
まずは「裏金」隠しだ。派閥からのキックバックを受け取るなどしていた現職の裏金議員は80人近くいるが、このうち推薦人に名を連ねたのは5陣営、21人だった。
最多は高市早苗経済安保相(63)の推薦人で、13人。次いで加藤勝信元官房長官(68)の4人、茂木敏充幹事長(68)の2人、小泉進次郎元環境相(43)と上川陽子外相(71)が1人ずつ。
「どの陣営も裏金議員は表に出したくない。しかし、9人も出馬したため推薦人集めは困難を極め、背に腹は代えられなかった。安倍路線の継承を訴えている高市陣営だけは、安倍派が多すぎて裏金隠しができなかったのだろう」(自民党関係者)
不可解なのが、小林鷹之前経済安保相(49)の陣営だ。出馬表明会見に11人もの安倍派議員が応援団として駆け付けたのに、推薦人に裏金議員はゼロだった。裏金議員をかばっていると批判されたことがよほどこたえたか。