五輪に逆行し肥大するアジア大会 「仁川で最後に」の声

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「そもそもアジア大会は域内のスポーツ振興、発展、平和の促進を目的に創設された大会です。非五輪競技のカバティやセパタクローなど、アジア土着の種目が実施されているのはそのためです。91年にアーマド会長(クウェート)が就任してから、リトル五輪を目指して肥大化を続けてきた。開催する意義も曖昧になってきており、国によっては五輪の前哨戦と位置付けたり、逆にマイナー競技主体で臨む国もある。所期の目的であるスポーツ振興に役立っているとは言えず、OCAの組織の在り方も含めてアジア大会の在り方を検証すべきでしょう」

 日本のスポーツ界は20年東京五輪でのメダル量産に向けて各競技団体とも選手強化を図っている。アジア大会をプレ五輪と位置付ける競技団体もある。

「アジア大会を五輪に向けた強化の一環として捉えるなら、JOC(日本オリンピック委員会)のやり方は中途半端と言わざるを得ない。競技団体によっては将来性のあるジュニアではなく、シニアの二軍クラスを派遣するなど、強化につながるとは思えないケースもある。現状はアジアでの覇権を示すため、中国、韓国と競う目的で参加しているに過ぎません。五輪が最終目標なら、アジア大会は選手の派遣の仕方から見直す必要があるでしょう」(前出の谷口氏)

 今大会の日本選手団の派遣費用は約4億円。レベルの低いアジア大会にそんな大金を投じるほど、我が国に経済的な余裕はない。

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