ブラッター氏FIFA会長5選 日本が“体制刷新”訴えない理由

公開日: 更新日:

 ブラッター会長は、自らの提案によって実現した助成金制度でアフリカ諸国のサッカー連盟の施設などを建設。アフリカのサッカー関係者は、ブラッター会長にベッタリで、今回の選挙でも、FIFA加盟209協会のうち、54の加盟国を持つアフリカ連盟はブラッター支持を早々と表明していた。

 この助成金により日本も09年にJFAメディカルセンター(福島)を開設。バラマキの恩恵を受けた。スポーツライターの工藤健策氏は、「さらにFIFAとのパイプの問題もある」といってこう続ける。

「ブラッター氏は02年W杯日韓大会を成功させ、クラブW杯日本開催などにも尽力。日本のサッカー普及などに寄与したとの理由で09年に日本政府から勲章(旭日大綬章)を授与された。日本のサッカー協会と親日家でもあるブラッター会長は蜜月であり、しかも日本にとってはFIFAで頼る人物は彼しかいない。田嶋(幸三)副会長が先月、FIFAの理事になったが、サッカー三流国の理事では発言力も知れている。今回の巨額汚職事件は、欧州連盟などで反発が強く、体制刷新を求める声が少なくなかったのに日本協会は経緯を見守るだけだった。それは、ブラッター会長が汚職に関与しているかどうかという問題より、日本にとって現体制を存続させる方がメリットがあるという判断だったのでしょう」

 とはいえ、ブラッター会長がこの先4年の任期を全うできると思っている関係者は皆無だろう。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  2. 2

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  3. 3

    芸能界を去った中居正広氏と同じく白髪姿の小沢一敬…女性タレントが明かした近況

  4. 4

    中居正広氏、石橋貴明に続く“セクハラ常習者”は戦々恐々 フジテレビ問題が日本版#MeToo運動へ

  5. 5

    元横綱白鵬「相撲協会退職報道」で露呈したスカスカの人望…現状は《同じ一門からもかばう声なし》

  1. 6

    広末涼子が逮捕以前に映画主演オファーを断っていたワケ

  2. 7

    大阪万博メディアデー参加で分かった…目立つ未完成パビリオン、職人は「えらいこっちゃ」と大慌て

  3. 8

    容姿優先、女子アナ上納、セクハラ蔓延…フジテレビはメディアではなく、まるでキャバクラ状態だった

  4. 9

    「白鵬米」プロデュースめぐる告発文書を入手!暴行に土下座強要、金銭まで要求の一部始終

  5. 10

    エンゼルス菊池雄星を悩ませる「大谷の呪い」…地元も母校も同じで現地ファンの期待のしかかる