運命の89年ドラフト 巨人入団の夢破れ監督室で声をあげて泣きました
そのころには、記者の方から「巨人も元木君を評価している」と聞いていましたし、新聞には「相思相愛」と書かれていたこともあり、すっかりその気になって、ドラフトの当日を迎えました。
結果はご存じの通り、巨人は慶応大の大森剛さん(現巨人育成ディレクター)を1位指名。僕は野茂英雄さん(元ドジャースなど)の外れ1位として、ダイエーに指名されました。
学校でドラフト中継を見ていた僕は頭の中が真っ白。何で!? オオモリじゃなくて、元木の間違いじゃないの!?
すぐに会見をする予定になっていましたが、あまりのショックに会見場ではなく監督室に連れていかれた僕は、そこで声をあげて泣きました。
ダイエーのスカウトの方がすぐに実家に足を運んでくれましたが、やっぱり自分の気持ちは変わらない。親父に「行くのか行かないのか、早く決断をしなくちゃいけないぞ。ダイエーさんにも迷惑がかかる」と言われ、「やっぱり、ジャイアンツで野球がやりたい」と答えました。
よし、分かった。