なぜ1カ月? プロ野球キャンプ期間「短縮すべき」とOB指摘
それなら若手もベテランも2月1日に全員集合でキャンプインする必要はない。
■1億円の無駄遣い
メジャーはバッテリー組が2月20日前後にキャンプイン。例えば田中将大のいるヤンキースは2月19日、マエケンのドジャースは20日にスタートする。野手組はもっと遅く、ヤンキースとドジャースは25日、最も遅いツインズは27日に野手も交えたキャンプの全体練習を始める。それから1週間程度、ツインズはたった3日間、連係プレーなどをこなして、3月上旬にはオープン戦に突入する。
「いまの選手たちは、われわれの時代と比べて給料もたくさんもらっているし自覚も違う。体づくりはもちろんのこと、体の手入れ、トレーニング、食事にいたるまで、しっかり考えて取り組んでいる。なのに2月1日にそろって全体練習を始めるなんてナンセンスです」と、評論家の高橋善正氏がこう言った。
「内野の要ともいうべき二遊間がそろって新しくなったとか、早めに連係を準備するケースもあるにせよ、それにしたって2月1日からやる必要はありませんよ。10勝も15勝もしているピッチャーがキャンプの1カ月間で1000球とか2000球投げ込むなんてのもおかしいし、連係プレーといっても野手のフォーメーションはだいたい決まっていて、最終的には個人の技術が重要です。ベテラン中心のチームもあれば、若手が主力を占める球団もある。なのに12球団がそろって丸々1カ月間、キャンプをやる必要がどこにあるのか。要するにプロ野球界は選手を信頼していない。子供扱いしているのです。キャンプ初日、全員にバント練習をやらせるなんてのがいい例ですよ。選手の意識も変わってきたわけだし、メジャーのようにキャンプを短縮してもよいのではないか。おのおので準備をして、短期間で実戦に入る。そうやって付いてこれない選手は淘汰される。それがプロとして本来、あるべき姿だと思いますけどね」