研究者に聞く 「ミトコンドリア」でマラソンは速くなる?

公開日: 更新日:

――でも、そんな運動をすれば乳酸が生じますね。乳酸はエネルギー源ともいわれますが、過剰な蓄積は筋肉を酸性化させ、運動機能の低下や筋肉疲労を招きますよね。

「乳酸が出てくるような高強度の運動がいいのです。乳酸が出てくるのは、ミトコンドリアが処理しきれないからです。そうなると細胞はミトコンドリアを増やそうとするのです」

――それはなぜですか。

「ミトコンドリアは細胞の器官なので運動中には増えませんが、能力不足の厳しい目にあった後の運動をしていない時に、将来の同様な事態に備えて増えるのです。ミトコンドリアが増えれば、以前よりたくさんのエネルギーが作られます」

――すでにこのようなトレーニングを取り入れている選手がいるのに、マラソンの記録が伸びないのですから、日本選手が五輪でメダルを取るのは無理ですね。

「練習法は知っていても、ミトコンドリアが増えるという理屈は後から知った人が多いのではないでしょうか。インターバルトレーニングはまさにそうでしょう。全力で走ってペースダウンして、また全力で走る。その繰り返しですから。私は陸上の指導者ではないので、マラソンの記録のことはわかりません。マラソン強化のひとつのヒントになるとすれば、スピードランナーにマラソンを走らせることではないでしょうか」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末