研究者に聞く 「ミトコンドリア」でマラソンは速くなる?
――と言いますと。
「白筋の多い人は瞬発性の運動に、赤筋の多い人はマラソンなどの持久性運動に適しているといわれています。白筋を増やすことは至難の業ですが、ミトコンドリアは増やせる。かつての千葉真子さん(03年世界陸上銅)やリオ五輪の代表になった福士加代子さん(13年同大会銅)もそう。日本記録保持者の高岡成寿さんも元はトラックの選手です。トラックで好記録を出したスピードのある選手がミトコンドリアを増やして持久力をつければ、マラソンでも好記録が期待できるはずです」
そういえば、リオ五輪の5000メートルと1万メートルの代表になった大迫傑は、元マラソン選手のサラザールが指導するナイキ・オレゴン・プロジェクト(米国)に所属。リオの1万で5位、マラソン3位のゲーレン・ラップもこのチームで汗を流している。不甲斐ない実業団選手より、「東京五輪はマラソンで出る」と宣言している大迫は面白いかもしれない。
(*)立命館大学の田畑泉教授が開発したトレーニング。高強度の運動20秒と休息10秒を1セットとして合計8セット(計4分間)行うインターバルトレーニングの一種。