稀勢の里と大谷翔平のケガ 今後の競技人生を左右する根拠
同じく短命の危険性をはらんでいるのが、日本ハムの大谷翔平(23)だ。
昨年の日本シリーズ中に右足首を痛め、今年3月のWBCを辞退。さらに開幕直後の4月、走塁中に左太ももの肉離れを患い、6月下旬まで戦線離脱を余儀なくされた。
一つ一つの負傷は大したことがないにもかかわらず、早期復帰を目指したがゆえにケガがケガを呼んだ格好。現在、左太ももはほぼ完治しているが、右足首の状態は不安が残る。というか、手術しない限り、完治しない。
今季初の一軍マウンドとなった12日のオリックス戦は、1回3分の1を投げて2安打3四球4失点。大谷の投球を見たメジャー球団のさるスカウトは、「右足をかばっているのか、上半身任せで投げている。だから制球も定まらないのだろうが、このままだとヒジや肩にも負担がかかって、致命傷になりかねない」と、顔をしかめている。
投打ともにケタ外れのポテンシャルをもつ大谷は、メジャーにとって垂涎の的。海を渡ることを、いまかいまかと待ち構えている。
その気持ちは大谷も一緒だ。一日も早く、メジャーの投打の一流選手たちと勝負したいと思っているからこそ、今オフの入札制度で移籍できるよう復帰を急いている。しかし、そのために右足首が悪化するどころか肩ヒジまで痛めかねない。
稀勢の里と大谷の選手寿命を決めるのは自身の決断に尽きる。取り返しのつかない状態になる前に、まずはケガを完全に治すことを最優先で考えてほしいものだ。