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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

浮沈はサーシャに…大坂なおみ“女王君臨”への落とし穴

公開日: 更新日:

 全米オープン優勝によって、「ナオチ」こと大坂なおみはトップ10の壁を一気に越え世界7位に座った。来月16日に21歳、前途に大きな期待がかかるが、果たしてどんな近未来が待っているのか。

 世界を驚かせたのは、今年3月、米国西海岸インディアンウェルズで行われたパリバ・オープンだった。ナオチは1回戦のシャラポワを皮切りに、ラドバンスカ、プリスコバ、ハレプという現在のトップ選手をストレートでなぎ倒し、決勝でも同い年のライバル、カサキナをストレートで退けてツアー初優勝を飾った。

 ただの優勝ではなく、勝った相手が“半端ない”顔ぶれだった。翌週のマイアミでは出産からの復帰直後とはいえ、セリーナ・ウィリアムズを1回戦で退治している。

 現在のトップ10で勝っていないのはウォズニアッキとスティーブンスだけで、その2人とも五分に戦っている。勝てない相手がいないことは証明済みで前途洋々たるものがあるわけだが、その中で、あえて探せば、問題は2つある。

 偉業達成の後は多くの選手が壁にぶち当たってきた。ムグルサ、ケルバー、昨年の全仏オープンで優勝したオスタペンコ、今年の全仏で念願かなったハレプ、いずれも初のメジャー優勝後にスランプに陥っている。それだけ周囲の反応が大きく、変化が激しく、同じことはナオチにも言える。日本のメディアの手のひら返しの褒め殺しは世界に類を見ないが、この点では利がある。日本に住んでいないし、平仮名しか知らないからSNSの雑音も素通りできる。

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