カネで優勝を買う巨人に独走を許す…セ5球団の末期的症状
いよいよ巨人の独り旅である。
首位攻防戦となった8日の伝統の一戦。首位巨人が2位阪神に競り勝ち、これでゲーム差は7.5に開いた。交流戦を11勝7敗と勝ち越して首位に浮上すると、リーグ戦再開後は実に8勝1敗。あっという間に大量15の貯金をつくり、セで貯金があるのは巨人だけという異常事態である。
■菅野ら投手陣に不安も
原監督が4年ぶりに復帰した巨人は昨オフ、広島からFAとなった丸佳浩を5年総額25.5億円で“強奪”するなど、総額40億円ともいわれる大型補強を行った。前任の高橋由伸監督時代は貧打にあえいだ巨人打線は、丸というリーグ屈指のポイントゲッターを得て、強力打線に変貌した。
「とはいえ、巨人もすべてにおいて、盤石というわけではない」
とは、さる巨人OB。
「8日に先発したエースの菅野は、阪神相手に7回途中11安打3四死球、3失点と精彩を欠いた。5月に腰の違和感で登録抹消されるなど、今季は8勝4敗、防御率3.92。昨年まで2年連続で沢村賞を獲得した圧倒的な投球が影を潜めている。救援陣も不安です。首脳陣は昨年のリリーフ投手の負け数(20敗)を半分にすると大目標に掲げたものの、今季もすでに12敗を喫している。抑え候補として獲得した助っ人クックが失敗に終わり、今は急造守護神の中川が何とか踏ん張っている状態。前半戦終了間際に、助っ人のデラロサに加え、日本ハムとのトレードで、藤岡と鍵谷の2投手を獲得。それだけでは飽き足らず、去る7日には野手の和田を交換要員として、楽天から先発型の古川を取った。これほどまでに投手の駆け込み補強に心血を注ぐのは、当の原監督が投手力に不安を抱えているからこそです」