スポーツ界相次ぐ醜聞 崩れ始めた「クリーン・ジャパン」
日本を見る目がガラリと変わりそうだ。
禁止薬物を摂取した広島のバティスタ(27)に対し、6カ月の出場停止処分が下った。広島といえば7月にも、緒方監督(50)が野間(26)の怠慢に見えた走塁に怒り、平手でたたくなどの暴力行為が発覚したばかりだ。
選手のドーピングが、シーズンオフを含む6カ月の出場停止だけで済み、片や監督が選手を殴っても厳重注意で終わり。スポーツ界では、あってはならない事件の処分にしては、あまりに甘すぎないか。
「そう思います」と、スポーツライターの津田俊樹氏が言う。
「一昨年、カヌーの選手がライバルのペットボトルに禁止薬物を混入するという衝撃的な事件が起きた。汚い手を使い、自分よりランクが上の者を蹴落とし、2020年東京五輪の代表になりたいというのは、もちろん肯定はしないが、選手心理としては分からないでもない。自国開催の五輪のために『なりふりかまわず』という者は今後も出てくるかもしれない。
野球も東京五輪の競技種目です。国内最高峰のプロ野球における暴力やドーピングは大きな問題です。禁止薬物に関して日本はクリーンというイメージが完全には崩れていないし、ルールに厳格でフェアプレーを重んじる国だと、世界では認識されている。それが、プロ野球の不祥事をこんな甘い処分で幕引きすれば、対外的な信用を失う。国内でもおかしいと思っているファンは多いはずです」