貴ノ富士の「強制引退」に尻込み…千賀ノ浦親方の複雑胸中

公開日: 更新日:

貴乃花部屋の例もあり…

 ある親方は「そうした気持ちもあるでしょうけど」と、こう続ける。

「厄介事を避けたいというのも事実ではないか。たとえば、2014年に貴乃花に勝手に引退届を出された旧貴乃花部屋の貴斗志です。地位確認の裁判では貴乃花部屋で暴力が常態化していたこと、親方が弟子を血だらけになるまでボコボコにしたことなどが、次々に証言された。もし、貴ノ富士を強制引退させたら、恨みの矛先が親方にも向き、貴乃花の二の舞いになりかねない。それならば協会任せにしていた方が安全ですからね」

 千賀ノ浦部屋では貴乃花部屋のような暴力はなくとも、貴ノ富士は「障害者という言葉はもともと部屋にいた兄弟子が使っていた」と、会見で暴露していた。旧貴乃花部屋勢が千賀ノ浦親方を無視していることは公然の事実だが、裏を返せば彼らの勝手を許している親方の統率力のなさでもある。そうしたもろもろが表沙汰になるのは親方も避けたい。

 やぶをつついて蛇を出す必要はないということだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡田阪神は「老将の大暴走」状態…選手フロントが困惑、“公開処刑”にコーチも委縮

  2. 2

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  3. 3

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  4. 4

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  5. 5

    中日・根尾昂に投打で「限界説」…一軍復帰登板の大炎上で突きつけられた厳しい現実

  1. 6

    安倍派裏金幹部6人「10.27総選挙」の明と暗…候補乱立の野党は“再選”を許してしまうのか

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    79年の紅白で「カサブランカ・ダンディ」を歌った数時間後、80年元旦に「TOKIO」を歌った

  4. 9

    阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》

  5. 10

    《スチュワート・ジュニアの巻》時間と共に解きほぐれた米ドラフト1巡目のプライド