ヤクルト高津監督に聞く 奥川育成プランと4番村上の期待度

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すべての面で平均よりだいぶ上

 ――開幕ローテ入りの構想もあった?

「(苦笑いを浮かべて)うーん……。そこに入れたら、すごく良かったかもしれないけど、それは現実的に無理な話になりましたね」

 ――奥川のどこを評価している?

「すべての面で平均よりずいぶん上に行っている。真っすぐにしてもそう、コントロールにしてもそう、変化球の切れにしてもそう。コントロールで言うと、真っすぐだけでなく、変化球をコントロールする力も持っている。だから三振が取れると思う。すごくレベルが高い投手だと思って見てました。18歳の高校生の中でも、トップの能力があると思っています」

 ――どういう投手に育てたいですか? 本人は監督も経験したメジャー願望もあるようです。

「今回は肘の炎症で出遅れましたけど、やっぱりケガをしてほしくないし、一年でも長く野球をやってほしい。一年を太く濃く過ごしてほしい。大きな離脱をすることなく、プロ野球生活を送ってほしいなと思いますね」

 ―――監督は現役を22年。長くやる秘訣は?

「体の強さであったり、がまん強さであったり、すべての面の強さですよね。奥川も? そうですね。必要な部分だと思います」

■埋まらないバレの穴

 ――打線では、4番候補として期待していた村上が下半身のコンディショニング不良でキャンプを離脱した。

「本人もその(4番を取る)つもりでキャンプに来たと思うし、期待度もすごく大きいですからね。あまり言うと、プレッシャーになるけど、いるといないとでは戦力差が大きい。開幕に間に合ってくれれば、という感覚を持っています」

 ――長年、中軸を担ってきたバレンティンが退団。

「その穴はなかなか埋まらないと思う。30本、40本打って、100打点稼いで、という選手が抜けるわけですから、得点力としては落ちるのかなと。そこに関しては戦力ダウンですよね。それ以外のところで、ココ(バレンティン)がいなくなったところを補うのは、足だったり、守備だったりと思うので、まだだれが(左翼に)入るかわからないですけども、補っていける戦力を使っていきたい」

 ――バレの代わりになる4番は?

「(村上)ムネが一番いいのかなとは思うけど、いったん白紙というか、これからの実戦などを通して、考えていくしかないですね」

 ――走塁では、エンドランなど足を使った攻撃を重視したいと。

「足は使いたいですね。(山田)哲人以外、まったくといっていいほど足が使えてなかったので。多少の失敗はあっても、それを恐れずに、僕もどんどん背中を押したいし、選手もどんどん仕掛けていく姿勢、トライする勇気を持ってね。使えるのに使わないのはもったいない。走れると思った人は走った方がいいと思うし、積極的にやっていくべきだと」

 ―――積極的に攻めると、失敗するリスクも出てくるが、選手にはどう接するのか。

「セーフになりにいってアウトになったりとか、抑えにいって打たれたりとか、反省するところはあるけど、怒ったりはしません。取れるアウトを取らなかったりとか、まあ、全力で走らなかったりとか、そういうのは論外ですけどね」

 ――監督が現役だった黄金時代のヤクルトは、厳しさもありながら、選手はノビノビとプレーしていた印象がある。

「やっぱりノビノビとプレーしないと、選手が萎縮してしまって、力を発揮できないと思っている。選手がより力を発揮できる環境にしてあげたいなと思っています」

 (聞き手=藤本幸宏/日刊ゲンダイ)

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