朝乃山が大関昇進へ…最高位獲得へ克服すべき“弱点”とは

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 昇進基準には満たなかった。

 22日、横綱白鵬の優勝で波乱もなく、静かに幕を閉じた大相撲“無観客”3月場所。大関とりのかかっていた朝乃山(26)は、千秋楽で大関貴景勝を破って11勝目を挙げたものの、これで3場所32勝。大関昇進の目安とされる33勝には届かなかった。

 が、あくまで目安は目安だ。審判部は今場所の内容や大関を倒したことを評価し、八角理事長(元横綱北勝海)に臨時理事会の招集を要請。八角理事長もこれに応じたことで、朝乃山の大関昇進は確実になった。基準に満たなかったことで不満の声も出るかもしれないが、朝乃山が大関を張れる器であることは衆目の一致するところ。昇進は遅いか早いかの違いでしかない。

 問題はその先だ。13、14日目に立て続けに横綱に敗れたように、最高位を目指すための課題があるのも事実だ。ある親方は「右を差すときに脇が大きくあく」と、こう続ける。

「早く得意の右四つに持ち込んで安心したいからなのか、やや差し方が雑。差し手争いに負けるのも、このためです。右下手を取る位置も、若干浅い。鶴竜戦では投げで振られてスペースをつくってしまい、横綱に左腕の巻き替えを許した。仮に相手の胸元に肩を入れるくらい深く差していれば、防げたはず。下手が深ければ、自然と相手の上手は遠くなり、まわしを取られにくくなる。初場所前、出稽古先で荒磯親方(元横綱稀勢の里)にコテンパンにされたのも、右腕の使い方が不十分だからです。こればかりは実績と経験を積むしかない。致命的な弱点というわけではないので、いずれ自分で“最適解”にたどり着くでしょう」

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