虎党人生で最も悔しい思いをしたのは「2008年の岡田阪神」
一方の投手陣は06年オフにMLB移籍した井川慶のような先発の大エースはいなかったが、安藤優也、岩田稔、下柳剛の3人が2桁勝利。リリーフに目を向けると、なんといっても岡田監督の最高傑作・JFKの全盛期で、今も現役の藤川球児が63試合の登板で8勝1敗38セーブ、防御率0・67という目玉が飛び出るような成績を残した。このころの藤川のストレートは本当に圧倒的だった。投球直前に捕手の矢野輝弘(現・燿大)が中腰で構えただけで打者が高めのボール球を空振りするシーンが目に浮かび、実際にその通りになることが多かった。
■2位に最大13ゲーム差の独走も
チームは春先から絶好調で、2位に最大13ゲーム差をつけるなど首位を独走。7月22日には優勝マジック46が点灯。まだオールスター前だった。
これで優勝できなかったんだから、本当に悔しい。7月まで60勝32敗1分けのチームが、8月以降は22勝27敗2分けって信じられるだろうか。
この急激な弱体化の要因は、8月の北京五輪に主力の新井、矢野、藤川が派遣されたことだ。しかも、新井はその前から腰を痛めており、北京五輪から帰還後に腰椎骨折が判明。結局9月下旬まで復帰できなかった。