高卒で入団 プロ1年目のユマキャンプで実感したプロの凄み
授業後に先生が「ヤクルトに決まったぞ」と教えてくれたときも特に感慨はなく、「あ、どうもありがとうございます」と淡々と返事したことを覚えています。
■手がパンパンに腫れ上がった
87年のプロ1年目の春季キャンプは米国のユマ(アリゾナ州)でした。この年はユマキャンプ10周年記念ということで、本来は宮崎県の西都市で練習する二軍も参加。ここで、プロの凄まじさを目の当たりにしました。
僕は捕手といっても、高校2年から転向したばかり。捕手経験は実質1年とちょっとです。ブルペンで荒木大輔さん、伊東昭光さん、尾花高夫さんたちのボールを受けることになりましたが、変化球がまったく捕れない。スライダー、フォークと予告されても、ボールがミットに収まってくれない。しかも、球威のあるボールを何百球も捕るわけですから、ミットをはめた手がパンパンに腫れ上がる。おかげで打撃でも手に力が入りません。「うわ、とんでもないところに来たな」と実感しました。
高卒新人がいきなり初の米国滞在ですから、もう何が何やらです。
テレビをつけても、全部英語だから面白くも何ともない。野球をしている時はまだしも、休日は退屈で仕方なかった。気を紛らわすために、特に用もないのにホテル近くのショッピングモールに出かけたものです。