“二刀流”琴勝峰は「大鵬」級のスケール感と素質の持ち主
時津風一門の親方は「ただデカいだけじゃない」と、こう続ける。
「肩幅が広く、下半身もどっしりしている。体つきのバランスがいい。基本は右四つだが、押し相撲も取れる『二刀流』。本人は常々、『最初に強く当たってから、後は流れに任せています』と話しているように、状況や相手に応じた相撲を取れる。もちろん、技術的にはまだ拙い部分もあるが、あの体格で堂々と攻めるスケール感の大きさは誰も真似できない」
四つ相撲と押し相撲、どっちつかずになる恐れはないのか。
「並の力士ならそうでしょうね。でも、大鵬さんや貴乃花、最近でも白鵬は型にこだわらない万能力士。昔、大鵬さんの師匠である二所ノ関親方(元大関佐賀ノ花)は『ウチの大鵬は型がないのが型だ』と話していたという。琴勝峰を見ていると、なんとなくそれがわかる気がする」(前出の親方)
▽琴勝峰吉成(ことしょうほう・よしなり)
●本名は手計富士紀(てばかり・としき)