“二刀流”琴勝峰は「大鵬」級のスケール感と素質の持ち主
20歳・佐渡ケ嶽部屋・前頭15枚目
「そりゃあ、ウチも取りに行きたかったよ」
こう話す親方が少なくない。
埼玉栄高校を卒業後に佐渡ケ嶽部屋に入門し、2017年11月場所の前相撲でデビュー。2年後、19年11月場所で十両に昇進すると、コンスタントに番付を上げ、先場所十両優勝を果たした。
■将来の横綱大関
191センチ、165キロという、ハタチの新入幕力士とは思えない体格で、「将来の横綱大関」と評判だ。
わんぱく相撲時代から、角界ではそれと知られた存在。相撲強豪校としても知られる埼玉栄では全国大会の団体戦連覇に貢献した。個人タイトルには縁がなかったものの、上位の常連だった。
佐渡ケ嶽部屋に入門したのは、2代目琴ノ若(現前頭)との縁だ。琴勝峰が相撲を始めた柏市スポーツ少年団に2歳年上の琴ノ若がおり、同じ埼玉栄に進学。在学中、息子の試合を見に来た佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)とも面識があった。そうした事情から、佐渡ケ嶽部屋への入門はごく自然なこと。他の部屋も「どうせ進路は決まっているだろうから」と、触手を伸ばさなかった。