原監督がソフトB内川獲得に色気…「WBC縁故補強」真の狙い

公開日: 更新日:

 3年ぶりにリーグ優勝を決めたソフトバンク内川聖一(38)が、今季限りで退団することが決定的となった。

 今季は一軍登録がなく、このまま一軍出場なしに終われば、プロ20年目で初となる。現役最多の通算2171安打。来季は他球団での現役続行を視野に入れているという。

 大分工から2000年のドラフト1位で横浜に入団。11年にソフトバンクにFA移籍し、大黒柱として昨季まで4度のリーグ優勝、6度の日本一に貢献した。今季はオープン戦から若手の台頭もあり、移籍後初の開幕二軍スタート。その二軍では40試合で打率・340をマークするなど、史上2人目となる両リーグで首位打者に輝いたバットコントロールは健在のようだ。

2009年WBC時のバリバリ主力

 そこで、移籍先として浮上するのが巨人である。原辰徳監督(62)は内川を買っている。なんといっても「2009年WBC時の侍ジャパンメンバー」というのが大きい。

 原監督は先週23日に岩隈の引退会見に出席した際、「私を世界一の監督にしてもらった感謝は忘れません」と最敬礼だった。岩隈はこの大会でエースを務めた。侍ジャパンを率いて世界一となった原監督は、この時のメンバーを今でも特別視している。

 実際、当時の侍ジャパンのメンバーで、その後、原監督がFAなどで巨人に招き入れたのは、これまで5人。投手は杉内、岩隈、野手は村田、片岡、中島と片っ端からかき集めているのだ。

 FA組の杉内、村田、片岡のように戦力として獲得したケースのほかに、2年前に37歳だった岩隈、36歳だった中島のように“死に場所”を与えるといった意味合いの“友情”補強もある。

 ただし、巨人では中島がまだ健在。一塁や右の代打といったポジション、役割がかぶる。それでも内川は左翼も守れるだけに、中島より使い勝手は良さそうだ。他球団が尻込みしそうな38歳という年齢も、2年前にアラフォーの岩隈、中島の2人を同時に入団させた実績がある。

 巨人はソフトバンクの「発掘」「育成」「補強」というやり方を模倣し、チームの強化を図ろうとしている。三軍制などが典型だが、ソフトバンクの幹部候補生といわれた内川を入団させれば、昨年の日本シリーズで4タテを食らった強敵の内部情報やイズムを取り入れることができる。これは丸をFAで補強し、天敵だった広島を丸裸にしたのと同じ理屈である。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    大谷の今季投手復帰に暗雲か…ドジャース指揮官が本音ポロリ「我々は彼がDHしかできなくてもいい球団」

  2. 2

    センバツVで復活!「横浜高校ブランド」の正体 指導体制は「大阪桐蔭以上」と関係者

  3. 3

    ドジャース佐々木朗希の肩肘悪化いよいよ加速…2試合連続KOで米メディア一転酷評、球速6キロ減の裏側

  4. 4

    阪神・佐藤輝明「打順降格・スタメン落ち」のXデー…藤川監督は「チャンスを与えても見切りが早い」

  5. 5

    PL学園から青学大へのスポ薦「まさかの不合格」の裏に井口資仁の存在…入学できると信じていたが

  1. 6

    巨人・坂本勇人は「最悪の状態」…他球団からも心配される深刻打撃不振の哀れ

  2. 7

    ソフトB近藤健介離脱で迫られる「取扱注意」ベテラン2人の起用法…小久保監督は若手育成「撤回宣言」

  3. 8

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  4. 9

    巨人・坂本勇人2.4億円申告漏れ「けつあな確定申告」トレンド入り…醜聞連発でいよいよ監督手形に致命傷

  5. 10

    阪神・藤川監督が酔っぱらって口を衝いた打倒巨人「怪気炎」→掲載自粛要請で幻に

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  4. 4

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  5. 5

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  1. 6

    おすぎの次はマツコ? 視聴者からは以前から指摘も…「膝に座らされて」フジ元アナ長谷川豊氏の恨み節

  2. 7

    大阪万博を追いかけるジャーナリストが一刀両断「アホな連中が仕切るからおかしなことになっている」

  3. 8

    NHK新朝ドラ「あんぱん」第5回での“タイトル回収”に視聴者歓喜! 橋本環奈「おむすび」は何回目だった?

  4. 9

    歌い続けてくれた事実に感激して初めて泣いた

  5. 10

    フジ第三者委が踏み込んだ“日枝天皇”と安倍元首相の蜜月関係…国葬特番の現場からも「編成権侵害」の声が