日本ツアーの脆弱さコロナで露呈…スポンサーばかりを優先
新型コロナウイルスが国内で初めて感染確認されてから1年が経つが、拡大するばかりで一向に収束のメドが見えず、2度目の緊急事態宣言が年明けに発令された。スポーツイベントは開催にさまざまな制約を受けることになり、男女ゴルフツアーも先行きが不透明だ。
2021年は男子ツアー24試合、女子ツアー37試合の日程が組まれている。だが発表通りに大会が開催されるかは別問題で、「砂上の楼閣」のような脆弱さがコロナで露見される。
ことに男子は深刻だ。日程の中には、いまだ賞金額や開催コース未定が数試合あり、「SMBCシンガポールオープン」はすでに中止が発表され、秋のビッグトーナメント「ANAオープン」は開催調整中だ。ANAオープンはコロナによる主催者の業績悪化でトーナメント開催どころではない。
また他のスポンサーも問題を抱えているところが数社ある。昨年はコロナのために大半の大会が中止になり、開催されたのはわずか国内5試合だけで、それもすべて無観客。この傾向は今年も続きそうな気配だ。
日本の男女プロゴルフトーナメントの最大の欠陥は、運営がチケット収入で成り立っていないため、「興行」としての意識もシステムも欠如しているところにある。主催者はあくまでスポンサー。だからコロナ禍のような有事が起きると企業イメージを優先し、世間の批判を恐れて、すぐに中止や無観客になる。