楽天復帰の田中将大“横取り獲得”狙った 王者ソフトBの強欲

公開日: 更新日:

 田中将大(32)の楽天復帰にソフトバンクがじだんだを踏んでいるという。

 田中を巡っては、ヤンキースからFAになって以降、パドレスなどメジャーの複数球団がオファーをしたといわれている。メジャーでのプレー継続を最優先にしつつも、めぼしいオファーがない場合は、日本球界復帰も視野に入れていた。

【写真】この記事の関連写真を見る(12枚)

 日米の球界関係者の多くは、「田中が日本に帰ってくるなら楽天で決まり」とみていたが、決してハナから楽天以外の11球団はお断り、というわけではなかったという。

 田中は1月1日、ニッポン放送の番組に出演し、タレントの中居正広と対談。中居が楽天復帰の可能性について質問した際、田中は楽天への愛着を示す一方で、中居から「巨人も?」と投げかけられると、「巨人もお話があったら考える方向になると思いますけど」と答えていた。

「あながち、リップサービスとは言い切れませんよ」と、球界関係者が声を潜めてこう明かす。

「楽天復帰が決まる過程で実は、ソフトバンクも田中の獲得に関心を持っていた。獲得調査を行い、楽天が提示した2年9億円と同程度か、それ以上の条件を準備する用意があったといいます。王会長も前向きだったそうですよ。ソフトバンクは14年オフに松坂を獲得したように、ビッグネームのFA選手や日本人メジャーの獲得に関して、不利な戦いになるとわかっていても、争奪戦に参戦する傾向がある。城島健司(米マリナーズ→阪神)はホークスOBだったこともありますが、近年では浅村栄斗(西武→楽天)、西勇輝(オリックス→阪神)しかりです」

 王会長は昨オフ、西武から米レッズへ移籍した秋山翔吾に関して、最後まで獲得を諦めていなかったという。

「秋山は12月末にレッズ入りが決まりましたが、王会長は秋山獲得に興味を持っていた。12月前半にハワイで行われた名球会の集まりに参加した西武OBに秋山の動向をリサーチ。メジャー移籍が不調に終わった場合は、獲得に乗り出すともっぱらでした」(前出の関係者)

V10狙うも警戒感

 ソフトバンク内ではかねて、田中が楽天へ復帰することへの警戒心を強めていた。ソフトバンクの柳田が、「ヤバいっすね。嫌っす」と苦笑いを浮かべたが、ホークスOBがこう言う。

「田中が復帰すれば、実績のある則本、岸、涌井の3人に黄金ルーキーの早川(早大)を加えると、リーグ屈指の先発陣となる。一方のソフトバンクは昨季、13試合登板で6勝をマークした助っ人のムーアの退団が決定しただけでなく、6年間で43勝を挙げたバンデンハークも自由契約にした。しかも、エースの千賀が両ふくらはぎのコンディショニング不良でキャンプは二軍スタート。『V10』を狙うソフトバンクにとって、不安の船出となる。もし、田中を獲得できれば、楽天の戦力強化を阻止するだけでなく、自らの補強にもつながる。合理的な考え方ですよ」

 とはいえ、楽天に田中が復帰しても、決して日本シリーズ4連覇中のソフトバンクが、楽天の戦力を下回ることはないだろう。若手にも逸材がゴロゴロいるし、なんだかんだで戦力は12球団屈指といっていい。選手、首脳陣は、勝ち方も知っている。「マー君を横取りしようなんて、いくら何でも強欲だ」との楽天サイドからの指摘も、的を射ているのではないか。 

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

  2. 2
    鈴木誠也と吉田正尚が窮地…トレード浮上も引き取り手なし、大谷フィーバーの裏で価値大暴落

    鈴木誠也と吉田正尚が窮地…トレード浮上も引き取り手なし、大谷フィーバーの裏で価値大暴落

  3. 3
    悠仁さま「オックスフォード大進学」再浮上のナゼ…昆虫標本が充実した自然史博物館の存在

    悠仁さま「オックスフォード大進学」再浮上のナゼ…昆虫標本が充実した自然史博物館の存在

  4. 4
    なぜ大谷はチャンスに滅法弱くなったのか? 本人は力み否定も、得点圏での「悪癖」とは

    なぜ大谷はチャンスに滅法弱くなったのか? 本人は力み否定も、得点圏での「悪癖」とは

  5. 5
    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

  1. 6
    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」

    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」

  2. 7
    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

  3. 8
    大谷への「アジア人差別感情」は球宴ファン投票にも表れ…問題の根は深く心配な今後

    大谷への「アジア人差別感情」は球宴ファン投票にも表れ…問題の根は深く心配な今後

  4. 9
    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し

    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し

  5. 10
    ロッテ佐々木朗希は“身内”からも嫌われた? 故障中とはいえ選手間投票でも球宴選外のトホホ

    ロッテ佐々木朗希は“身内”からも嫌われた? 故障中とはいえ選手間投票でも球宴選外のトホホ