選手を理解するために井口資仁を監督室に呼んで聞いたこと
2010年、私はボビー・バレンタイン監督の後任監督に就任した。背番号はコーチ時代と同じ「78」。人生七転び八起きという私のモットーを込めた。
チームは前年、ボビーの去就問題に揺れた。ロッテで12年間コーチを務め、12人しかなれない監督になった感慨よりも、このままでは再び、勝てなかった時代に戻りかねないとの危機感が強かった。とにかくチームを強くしたい、立て直したい一心だった。
そのためにはチーム一丸となり、みなが同じ方向を向いて戦う必要があった。チームスローガンに「和」を掲げるとともに、新選手会長には私の現役時代からプレーするサブロー(大村三郎)が就任。西岡剛をキャプテンに指名し、新生ロッテの船出を迎えた。
就任1年目にシーズン3位から日本一を達成する過程で、重要な役割を担ってくれた一人が35歳のベテランである井口資仁(現ロッテ監督)だ。
ダイエーやメジャーを経て09年にロッテに入団。10年には、公式戦、ポストシーズンなど全160試合中159試合に「3番・二塁」で出場。打率・294、17本塁打、リーグ2位の103打点をマークした。44二塁打、112四死球はリーグトップで、得点圏打率も・340と勝負強さも発揮した。