イケシオペアらの声援を背に…優勝が頭をよぎり雑念からリズムを崩した
しかし、試合が始まっても令佳の緊張はほぐれませんでした。私たちは攻めるどころか相手のコートに返すのが精いっぱい。10―21であっさりと落としてしまいました。
2ゲーム目に入って緊張がほぐれ、ようやく自分たちのプレーが出せるようになりました。相手の強烈なスマッシュにもうまく対応し、レシーブから攻撃に転じるいつものパターンを取り戻しました。
序盤は先にリードを許したものの、中盤に5連続得点で逆転に成功したのです。相手の田・趙組(中国)とは、過去の対戦1勝2敗。ロンドン五輪前年の12月にはフルセットの末に下したこともあり、決して分が悪い相手ではありませんでした。優勝など全く意識せずに臨んだはずでしたが、試合が進むにつれて競り合う展開となり「ひょっとしたら」という気が芽生えてきたのは否定できません。「まさか、自分たちが金メダリストになるの?」なんて思いながらプレーしていました。金メダルが頭の片隅をよぎり、雑念が生じたのでしょう。
20―20の「20オール」となり、2点差がつくまで続く延長までもつれました。私たちの金メダル獲得を期待するスタンドの関係者の大声援を浴びながら、中国ペアに追いすがりましたが結局、23―25でストレート負け。日本勢史上初の決勝進出を果たすも銀メダルに終わりました。