北京冬季五輪は人権問題がネックに 米国がボイコットなら日本は追従するのか?
米国が動き出した。
米ホワイトハウスは11日、バイデン大統領が12月に民主主義諸国の首脳らが参加する「民主主義サミット」をオンライン形式で開くと発表した。サミットでは「専制主義からの防衛」「汚職との闘い」「人権尊重の促進」が主要テーマになるという。中国などに対抗する狙いは明らかだ。
バイデン政権は、中国による台湾の民主派弾圧や新疆ウイグル自治区の人権問題を厳しく非難。6月のG7サミット首脳宣言でもこの問題に言及し、「民主主義国家対専制主義中国」の対決構図を鮮明にした。
欧州の国々からも人権無視の中国で行われる北京五輪に関して、ボイコットや開催地変更を求める声があちこちから上がっている。
現代社会総合研究所の松野弘所長は、「バイデン大統領が本気なら、1980年のモスクワ五輪のように北京五輪はボイコットするでしょう」と言って、こう続ける。
「権力者の考えひとつでどうにでもなる社会主義国家で、平和の祭典と呼ばれる五輪は行うべきではない。2014年にソチ五輪を開催したロシアは、国家ぐるみのドーピング問題が明らかになり、今回の東京五輪はロシア・オリンピック委員会(ROC)として、選手は個人資格で参加した。国際オリンピック委員会のバッハ会長は放映権料が入れば、開催する国の政治体制などは問わない。政治とスポーツは切り離すべきだと言われるが、五輪も政治問題と一体です」