ソフトB初先発で5回ノーノーのスチュワートはMLBドラフト1巡目指名 “二匹目のドジョウ”はいるか?
15日、投手6人による継投で日本ハム打線を“ノーヒットノーラン”に封じたソフトバンク。この試合の先発を務めたのが、入団3年目のスチュワート・ジュニア(21)だ。常時150キロ超の速球を武器に5回9奪三振。本来先発するはずだった和田の代役とはいえ、一軍初先発で結果を残した。
2018年の米ドラフトでブレーブスから1巡目指名(全体8位)されるも、右手首に故障が見つかり契約が難航。短大進学を経て、19年シーズン途中にソフトバンクと6年総額700万ドル(約7億7000万円)で契約した。仕掛け人は名うての代理人として知られるスコット・ボラス氏だ。
米球界に詳しいスポーツライターの友成那智氏は「ボラスもスチュワートも損をしない巧妙な契約です」とこう続ける。
「ドラフト1巡目レベルの選手は大体3年目くらいまでにメジャーに昇格するケースが多い。しかし、仮に契約金350万ドルで入団できても、マイナー期間の給料はスズメの涙。メジャー昇格後も年俸調停の権利を得るまでの3年間は、最低年俸しかもらえません。つまり年俸が大幅にアップする調停の権利を得るまでには6年程度かかるのです。仮にスチュワートがそのままブレーブスと契約した場合、6年間で手にする金額は700万ドルに及ばない。さらにドラフトを経ていないため、メジャーに移籍する場合は外国人選手扱い。年俸調停期間がないうえに、ソフトバンクと契約が満了する年には25歳になっているのもミソ。現在、MLBは25歳未満の外国人選手と高額契約を結べないルールがあり、大谷もこれに引っかかった。スチュワートがソフトバンクとの6年契約終了後にメジャー入りする場合、こういった制約を受けないことも強みです」