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山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

阪神・秋山が2年連続2ケタ勝利 少し不思議な虎エースのキャリア曲線

公開日: 更新日:

 デビューも早く、そして鮮烈だった。高卒1年目の8月、なんと巨人戦の先発投手として一軍デビュー。そこでは敗戦投手となったが、次の先発で早くもプロ初勝利を挙げ、9月にはセ・リーグの高卒新人としては21年ぶりとなる完封勝利も記録。結局、この年は高卒新人ながらいきなり4勝をマークし、将来のエースと目されたものだ。

 しかし、ここからが順調ではなかった。虎の期待の若手にありがちな既視感たっぷりの伸び悩みが秋山を襲い、2年目~7年目の6年間でわずか2勝。一時はトレード要員や整理対象選手の候補だと噂されるほど存在感を失い、いつのまにか誰も秋山に過度な期待も計算もしなくなった。

 しかししかし、まさかの確変が8年目の17年に起こる。前年わずか1勝ながら、いきなり目覚めたかのように先発として12勝(先述のキャリアハイ)を記録。しかも高校時代やルーキーイヤーのスタイルとは大きく異なる、制球力が売りの技巧派投手にキャラ変してのブレークだった。

 なのに、である。それでも翌18年はわずか5勝、その翌19年は4勝と下降線をたどり、いわゆる一発屋の汚名を着せられそうになった……かと思えば昨年再び11勝と盛り返し、今年は2年連続2ケタ勝利である。

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