著者のコラム一覧
岡崎朋美長野五輪メダリスト

1971年、北海道清里町出身。94年リレハンメルから98年長野、2002年ソルトレークシティー、06年トリノ、10年バンクーバーと日本女子最多の冬季五輪5大会出場。長野で日本女子短距離選手初のメダル(銅)を獲得した。07年に結婚、10年12月に女児を出産。14年ソチ五輪代表入りを逃し、現役引退。20年マスターズ国際スプリントゲームズで世界新記録を更新して金メダル獲得。現在は全国各地で講演会を行う。聖徳大学客員教授。日本学生陸上競技連合理事

<11>ソルトレークシティー五輪のテロ対策に引っかかった「商売道具」

公開日: 更新日:

 北京五輪に対する外交的ボイコットが相次いでいる。米国や豪州などが続々と表明する中、日本はどうするのか。その動向が注目されている。

 私が出場した五輪5大会の中で、国際問題の影響を受けたのは2002年ソルトレークシティー大会。

 開催の半年前、01年9月11日に米国同時多発テロが起き、セキュリティーがものすごく厳重になった。

 選手村から会場へ入る際のバスの下、選手自身、カバン……ありとあらゆるものに探知機を当てられた。

 特に、スケート靴のエッジが刃物なので、“凶器”と見なされる。空港でも「ピー」、現地でも「ピー」。(富士急行の)長田監督がメンテナンス用に持ってきた部品も「ピー」。一度カバンから出して「OK」となるけど、とにかく時間がかかる。出発は予定より30分早めて行動した。

 スケート靴は大切な商売道具。自分のリュックに入れて機内へ持ち込む選手がほとんどだった。テロ後はそれができなくなり、私は刃と靴が平行になるようパッキング。衣類を緩衝材にしてスーツケースの中に入れて運ぶようにした。国際線は特に荷物の扱いが粗いせいもあって、雑に入れると刃が曲がったり靴が変形したりする子もいた。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  2. 2

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  3. 3

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    大河ドラマ「べらぼう」の制作現場に密着したNHK「100カメ」の舞台裏

  1. 6

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  2. 7

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  3. 8

    下半身醜聞ラッシュの最中に山下美夢有が「不可解な国内大会欠場」 …周囲ザワつく噂の真偽

  4. 9

    フジテレビ第三者委の調査報告会見で流れガラリ! 中居正広氏は今や「変態でヤバい奴」呼ばわり

  5. 10

    トランプ関税への無策に「本気の姿勢を見せろ!」高市早苗氏が石破政権に“啖呵”を切った裏事情