巨人・菅野は球威激減、楽天・田中将は一発病…メジャーが遠のく「2人の異変」の深刻
17日のリーグ戦の再開初戦で、巨人にまたひとつ不安が増えた。
最下位の中日相手に0ー2の敗戦。先発した菅野智之(32)は、登板予定だった前回9日の西武戦を発熱で見送り、中17日でのマウンド。その影響が心配される中、7回を無失点に抑えた。さすがはエース…と言いたいところだが、巨人OBの橋本清氏はこう言って首を傾げるのだ。
「これまでの菅野のイメージとはかけ離れた、別人のような投球でした。本来は150キロに届く直球のMAXがこの日は144キロで、それも1球だけ。140キロ前後がほとんどでした。それに全84球のうち、ストレートはわずかに23球。もともと球種が豊富で投球術に長けた投手とはいえ、この日は完全に軟投派の投手でした。年齢的に過渡期を迎え、本格派からのモデルチェンジを図りつつはありましたが、“それにしても”という印象です。腕の振りを加減しているように見えたのも気になりました。今年は4月に右肘の違和感で登録抹消されている。変化球でかわすような投球は、そうしたコンディションの問題なのか、ニュー菅野を模索しての結果なのか。後者だとしても、スピードはともかく、直球の球威があってこそ。そういう意味でも次回の登板を注視する必要があると思います」
巨人打線を8回無失点に抑えた中日先発の大野雄大(33)が真っ直ぐでグイグイ押したのとは対照的だったのは確かだ。これで今季の菅野は6勝4敗、防御率2.49。数字上は苦しんだ昨季(6勝7敗、防御率3.19)から復調したようには見えるものの、好不調の波があり、原監督ら首脳陣は以前のような絶対的な安心感を抱けていないのが実状だ。
田中の1試合4被弾はヤンキース時代の2017年以来
パ・リーグでは、楽天のエースにも異変があった。ソフトバンク戦に先発した田中将大(33)が初回、3番の柳田にソロ本塁打を被弾。決め球のスプリットを右手1本で右翼テラス席に運ばれると、三回には5番の牧原、6番のグラシアルに相次いで一発を浴び、五回にもグラシアルに2打席連発となる本塁打を許した。1試合4被弾はヤンキース時代の2017年以来、日本では初となる屈辱。結局、5回7失点KOの大乱調を演じたのだ。
「これで今季の田中は4勝6敗、防御率2.68。開幕から1点台をキープしていた防御率は跳ね上がり、被本塁打もリーグワーストタイの9本。今オフのメジャー復帰を視野に入れている田中にとって、非力な日本での一発病はスカウトに与える印象を悪くする。菅野も2020年オフに失敗したメジャー挑戦に含みを残していますが、直球のスピードが140キロそこそこじゃ、いくらなんでも厳しいでしょう」(球界関係者)
いずれにしろ、ともに尾を引きそうなリーグ戦再開初戦となった。