絶対の自信をもっていた「牽制」が1990年開幕後…突然使えなくなった裏側
あれ? なんだ、この感じは……。
プロ4年目の1990年、自主トレでキャッチボールをしたときのことだ。肩肘が重いというのか、疲れが抜けていないような感覚に襲われた。
3年間の投球回数は705回3分の2。前年のオフは9年ぶりのリーグ優勝でサイン会やイベントが目白押し。12月はシーズン中より体調が悪かったくらい。体の手入れやトレーニングを十分にこなせないまま翌年の自主トレに突入した。前年の自主トレでも似たような感覚はあったが、それ以上に疲れが抜けていない感じだった。
それでもキャンプはハイペースで仕上げることを求められていたわけではないから、うまく調整していけば何とかなるという自分なりの計算はあった。
そしてオープン戦。あれは神宮球場のヤクルト戦だった。一塁への牽制で長嶋一茂をアウトにした。「あれはプロの技や」とヤクルトの野村克也監督が言ってくれたことを覚えている。
■キャンプでは問題なし