著者のコラム一覧
大豊昌央元大相撲力士

本名は鈴木栄二。1955年3月29日、新潟県北魚沼郡堀之内町(現魚沼市)出身。73年に時津風部屋に入門し、同年11月場所で初土俵。81年1月場所に新十両に昇進し、82年5月場所で新入幕。83年1月場所は新三役として小結を務める。87年1月場所後に引退し、時津風部屋の部屋付き親方となり、2002年に独立。20年に蒼国来に部屋を継承させ、相撲協会を退職。主な弟子は蒼国来、若隆景、若元春ら。最高位は小結。

九州場所の思い出…倉庫で地元の土を2カ月間寝かせて土俵を作った

公開日: 更新日:

 宿や会場の交渉に始まり、土俵作りなど、たった1日の巡業でもやることは多い。だからこそ、体力のある若手親方がその役目を任されるのだと思います。

■本場所の俵は…

 土俵の土といえば、思い出すのが11月の九州場所です。私は九州場所担当を9年間務めていました。土俵を作る土は、何でもいいというわけではありません。今は年6場所、同じ土を使っているそうですが、当時は九州場所の土俵は地元の土を使っていました。それも、ただ掘ってきて土俵の形にすればいいというものではありません。

 まず、風通しの良いプレハブ小屋を建て、そこへ調達した土を運び込みます。そこで寝かせること2カ月間、ほどよく乾いたちょうど良い土が出来上がるのです。

 とはいえ、土俵はどんなに頑張って作っても壊れるものです。力士が投げられた衝撃でヒビが入ったり、欠けたり。そのたびに結びの一番が終わってお客さんが帰った後、呼び出しさんが修理をします。

 ちなみに本場所が終わって解体した後に残った俵を、「欲しいからください」と持って帰るお客さんもいました。中には床の間に飾っている人もいるそうです。 (つづく)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    遠山景織子の結婚で思い出される“息子の父”山本淳一の存在 アイドルに未練タラタラも、哀しすぎる現在地

  2. 2

    桜井ユキ「しあわせは食べて寝て待て」《麦巻さん》《鈴さん》に次ぐ愛されキャラは44歳朝ドラ女優の《青葉さん》

  3. 3

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  4. 4

    元横綱白鵬「相撲協会退職報道」で露呈したスカスカの人望…現状は《同じ一門からもかばう声なし》

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  1. 6

    西内まりや→引退、永野芽郁→映画公開…「ニコラ」出身女優2人についた“不条理な格差”

  2. 7

    永野芽郁“二股不倫”疑惑でCM動画削除が加速…聞こえてきたスポンサー関係者の冷静すぎる「本音」

  3. 8

    佐々木朗希が患う「インピンジメント症候群」とは? 専門家は手術の可能性にまで言及

  4. 9

    綾瀬はるかは棚ぼた? 永野芽郁“失脚”でCM美女たちのポスト女王争奪戦が勃発

  5. 10

    江藤拓“年貢大臣”の永田町の評判はパワハラ気質の「困った人」…農水官僚に「このバカヤロー」と八つ当たり