札幌五輪は東京が醜聞まみれでも消えず…2030年冬季開催地決定「無期限延期」の裏事情
「それだけIOCが冬季五輪の立候補都市減少に対して危機感と恐怖心を抱いているのです」と言うのは前出の谷口氏だ。
「今回の度重なる延期の動きはよほど選定に苦慮しているということの表れ。東京五輪の汚職問題の影響も大きいですが、冬季五輪はもともと『五輪の冬季大会』という格下の位置づけ。立候補する都市がなくなる可能性もあり、いつか冬季大会がなくなることも視野に入れているかもしれません」
不祥事の全容がいまだ解明されない中での延期はIOCからの「延命措置」にも見えるが、招致を目指す札幌にとってはゴールの見えない「生き地獄」。反対ムードの中で騒動が収束するのを待つだけでは、機運も高まるはずがない。
「ただ、手を上げ続けるだけでは、プロモーション活動などの費用がかかる。かといってJOC(日本オリンピック委員会)はすでに機能不全。計画内容も財政状況もめちゃくちゃで札幌に任せきり。そんな無責任な状態で招致活動を続けるのか」(谷口氏)
もっとも、ここで白旗を挙げられて困るのは、他でもないIOCだが。