【特別インタビュー】ヤクルト高津臣吾監督「育てながら勝つ」ための組織マネジメントを語る

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黄金時代構築へのビジョン

 選手との接し方について高津監督は「監督である前に人としての接し方が凄く大事だと思っています」と明かす。

「もちろん、グラウンド上では『監督』と『選手』という線引きは大事ですが、人として楽しくうまく付き合っていきたい思いが強い。僕は基本的に<人生はすべて楽しむもの>だと思ってます。勝負事をしているとずっと楽しいでは終わらないし、野球選手は歯を食いしばり、汗水垂らして全力で野球に尽くして頑張るわけですけど、ユニホームを着ていない時はざっくばらんに話をしてほしいと思う。そうはいっても監督相手だと話しづらいことはあるだろうなと思いながら接してますけど。できるだけ、線引きはなくして、人としての付き合いをしていきたいですね」

 23年はリーグ3連覇、日本一奪回とともに、黄金時代の構築を目指す。

「3年後、5年後、10年後に僕が指揮を執っているかはわからないですが、スワローズはずっと続いていく。その時々にチームに勝てるメンバーが揃っているかどうかは非常に大きいと思うし、勝てるチームをつくるためにも若い選手をドンドン使い、彼らが将来、主力になったり、チームやリーグ、日本を代表する選手になっていってもらうのが3年後、5年後というふうに考えています。そのために我慢して使い続けることは意識しています」

高津臣吾(たかつ・しんご) 1968年広島県生まれ。広島工業高校、亜細亜大学を経て、90年ドラフト3位でヤクルト入り。93年ストッパーに転向し、20セーブを挙げチームの日本一に貢献。その後、4度の最優秀救援投手に輝く。2004年に移籍したシカゴ・ホワイトソックスでもクローザーを務める。開幕から24試合連続無失点を続け、「ミスターゼロ」の異名をとった。日本プロ野球メジャーリーグ、韓国プロ野球、台湾プロ野球を経験した初の日本人選手。14年ヤクルト一軍投手コーチに就任。15年セ・リーグ優勝。17年に二軍監督に就任、2020年より東京ヤクルト一軍監督。21年、22年とセ・リーグ連覇。21年は日本一に。

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