カブス鈴木誠也アクシデントで侍J栗山構想の課題一挙露呈 壮行試合での采配にも数々の疑問

公開日: 更新日:

 侍ジャパンの野手の大黒柱にアクシデントが発生した。

 カブスの鈴木誠也(28)が、「4番・右翼」で出場予定だった25日(日本時間26日)のオープン戦初戦を欠場。試合前のフリー打撃中に左脇腹の張りを訴え、途中で練習を切り上げた。

【写真】この記事の関連写真を見る(20枚)

「報道によれば、前日の打撃練習でもフルスイングをせず、途中で打撃ケージを出たという。鈴木は今季に向けて、オフに体重を10キロ増量した。パワーアップを図って出力を上げた分、体に負担がかかったのかもしれません。仮に大事に至らなくても、脇腹の故障は投手と野手に関係なく、選手が最も慎重にならざるを得ない箇所。調整のペースに影響するし、代表に合流できても不安は残ると思います」

 とは、評論家の橋本清氏。こう続ける。

「今回の日本代表の外野手はその鈴木誠也に近藤健介(ソフトバンク)、吉田正尚(レッドソックス)、ヌートバー(カージナルス)の4人という少数精鋭。所属チームでは内野手登録の周東佑京(ソフトバンク)を含めても5人しかおらず、周東は『代走の切り札』として勝負どころでの出場になるでしょうから、起用には制約がある。右打者は鈴木だけで、それだけに栗山監督も『日本は左打者が多いので、右打者がどうしても必要』と鈴木の存在の重要性を語っていた。

 もちろん、メジャーリーガーとして外国勢の投手と対戦している経験も大きいし、強肩を含めた守備力、走力を考えても、日本代表の攻守の大黒柱的な存在です。野手における栗山監督の構想のど真ん中にいる選手ですから、当然のことながら、チームに与える影響は小さくありません」

■「守りの野球」に矛盾が生じる

 今回の代表メンバーの選出に関しては、当初から外野手の人選が疑問視されていた。最小限の4人しか招集しなかったうえ、栗山監督も認めるように左打者に偏った。

 センターを本職とする選手もおらず、「ディフェンス面での不安が指摘された。栗山監督が掲げる『日本の特徴であるピッチャーの力を借りて我慢して勝つ』とする守りの野球に矛盾が生じます。この日のソフトバンクとの壮行試合では岡本(和真=巨人)が左翼で先発しましたが、いくら打撃が好調といっても、重圧のかかる国際試合で不慣れな外野守備に就くのは酷。北京五輪でエラーを連発したG・G・佐藤の例を出すまでもなく、かなりのリスクが伴う。今回の日本代表投手陣は世界でも有数のレベルですが、守備に穴があると、投手は気になるもので、配球などにも影響する。そういう意味でも誠也の体調不安は痛すぎます」とは、セ・リーグの現役コーチだ。

 栗山監督は「全員元気に集まってくれると僕は信じています」と繰り返したが、問題は誠也のアクシデントだけではない。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    巨人のW懸案「ポスト岡本和真&坂本勇人」を一気に解決する2つの原石 ともにパワーは超メジャー級

  2. 2

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  3. 3

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  4. 4

    巨人「松井秀喜の後継者+左キラー」↔ソフトB「二軍の帝王」…電撃トレードで得したのはどっち?

  5. 5

    佐々木朗希が患う「インピンジメント症候群」とは? 専門家は手術の可能性にまで言及

  1. 6

    阿部巨人が企む「トレードもう一丁!」…パ野手の候補は6人、多少問題児でも厭わず

  2. 7

    佐々木朗希「限界説」早くも浮上…案の定離脱、解説者まで《中5日では投げさせられない》と辛辣

  3. 8

    巨人秋広↔ソフトBリチャード電撃トレードの舞台裏…“問題児交換”は巨人側から提案か

  4. 9

    オリオールズ菅野智之 トレードでドジャースorカブス入りに現実味…日本人投手欠く両球団が争奪戦へ

  5. 10

    オンカジ騒動 巨人オコエ瑠偉が「バクダン」投下!《楽天の先輩》実名公表に現実味

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    遠山景織子の結婚で思い出される“息子の父”山本淳一の存在 アイドルに未練タラタラも、哀しすぎる現在地

  2. 2

    桜井ユキ「しあわせは食べて寝て待て」《麦巻さん》《鈴さん》に次ぐ愛されキャラは44歳朝ドラ女優の《青葉さん》

  3. 3

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  4. 4

    元横綱白鵬「相撲協会退職報道」で露呈したスカスカの人望…現状は《同じ一門からもかばう声なし》

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  1. 6

    西内まりや→引退、永野芽郁→映画公開…「ニコラ」出身女優2人についた“不条理な格差”

  2. 7

    永野芽郁“二股不倫”疑惑でCM動画削除が加速…聞こえてきたスポンサー関係者の冷静すぎる「本音」

  3. 8

    佐々木朗希が患う「インピンジメント症候群」とは? 専門家は手術の可能性にまで言及

  4. 9

    綾瀬はるかは棚ぼた? 永野芽郁“失脚”でCM美女たちのポスト女王争奪戦が勃発

  5. 10

    江藤拓“年貢大臣”の永田町の評判はパワハラ気質の「困った人」…農水官僚に「このバカヤロー」と八つ当たり