「WBCのパワーバランス」米野球誌の下馬評は1位ドミニカ、2位日本、3位米国
この「ベースボール・アメリカ」のパワーランキングで、もう一つ気が付くのは、第2回大会以降低迷していたメキシコが6位にランクされ、強豪国のイメージがあるキューバが10位までランクを下げていることだ。
これはメキシコが強力な先発投手を擁していることに加え、士気がいつになく高いからだ。逆にキューバは亡命者続出で士気が低下していることがマイナス要因になっている。
両国の士気の高低が如実に表れたのが、先月上旬に開催されたカリビアン・シリーズだ。このシリーズはカリブ海周辺の8カ国(ドミニカ、ベネズエラ、コロンビア、パナマ、メキシコ、プエルトリコ、キューバ、キュラソー)のウインターリーグ優勝チームが一堂に会して覇を競う大会。メンバーの入れ替えが可能であるため各国は強力な助っ人をどんどん組み入れて優勝を目指す。そのため資金力があり、かつ勝つ意欲のある国が優勝し、そうでないチームは下位に沈む。
先月、行われた同シリーズでは、やる気満々のメキシコが優勝し、キューバが最下位に沈んだ。キューバはWBCに日本でプレーするモイネロ、R・マルティネスらをメンバーに加えて臨むが、先発に人材を欠くため苦しい戦いを強いられることになるだろう。強豪国というイメージは、すっかり過去のものになった。