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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

マラソン絶対王者キプチョゲはボストンで「2時間切り」なるか? 山田敬蔵の優勝から70年

公開日: 更新日:

 第1回からほぼ同じ下り坂のワンウエーコース。そのため世界陸連(WA)は“都市マラソン発祥の地”の記録を公認していない。浜村秀雄、重松森雄、君原健二、采谷義秋、瀬古(2度)と優勝者を出した日本が出場しなくなったのは非公認だからといわれる。違うだろう。下り坂は脚を使うのだ。

 ボストンで勝った年にオリンピックでも優勝した選手は88年のロザ・モタだけ。そんなことに頓着しない川内優輝が2018年に優勝した。酷寒でアフリカ勢が機能しなかったとはいえ、重い冠を手に市民ランナーの王様はプロ宣言──あっぱれだった。

■初の「グランドスラム」へ残すはボストンとNY

 アメリカの独立戦争を記念する「愛国者の祝日」、4月の第3月曜日に行われ、今年は週明けの17日になる。第127回の話題は、何と言ってもエリウド・キプチョゲだ。

 2時間1分9秒の世界記録保持者、オリンピックの連続金メダリスト、17戦15勝の絶対王者がボストンに乗り込んでくる。


 キプチョゲは既に東京を含めた世界のメジャー6大会の4大会で優勝し、残すはボストンとニューヨークで初の「グランドスラム」達成が射程内。それだけではない。ボストンの気象は予想し難いが、条件が合えば記録は出る。

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