若虎に寄り添う岡田監督「通算7年」のファーム指導 忘れられない2001年二軍キャンプ特訓

公開日: 更新日:

 約1時間。ほとんどが二塁ベース上の連係プレーの反復だった。「よっしゃ。今の呼吸やで。忘れんなよ」。うれしそうにほほ笑む今岡と関本。練習後には3人がトンボを持ち、ザッザッザッとグラウンドをならし始める。本球場を使わず、阪神園芸のキーパーを連れてこなかったのも、彼らの拘束時間が長くなるからという岡田監督の配慮だった。

「おい。おまえも手伝えよ」。びっくりした私は逃げる口実に「でも革靴なんです。これで神聖なグラウンドに入ったら怒られますしねぇ」「かまへん、かまへん。目をつぶったるわ」。土ぼこりが舞う中、4人で作業を終えると褒美のネタのつもりだったのか、岡田監督が話し始めた。

「悪いけど、上の安芸組よりこっちの2人の方が力は上やで。野村監督なりの考えはあるんやろうけど、プロの二遊間はそんな簡単に組めるもんやない。上の2人は新人なんやで。だから必ず上に呼ばれる時がくる。こうしてやっとんのもそのため。本人たちにも『くさったらあかんで』とずっと言うとるよ」

 その頃から揺らがなかった岡田監督の守備&二遊間重視。大型内野手として期待されていた今岡と関本は5年目を迎えていただけに、二軍送りの措置に疑問を感じていたのかもしれない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸300億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」