エンゼルスの誠意は“ドライ”な大谷翔平に届くか? トレードで強化もチーム泥沼7連敗のその先
義理立てするといった思考とは縁遠いのが大谷
大谷は今年1月、高校時代から愛用していた用具メーカーのアシックスを切って、ニューバランスと50億円を超える金額の長期契約を結んだ。契約延長交渉をしながら最後の最後でニューバランスに乗り換えられたアシックスの関係者は大きなショックを受けたそうだ。
WBCの準決勝前日にはフロリダのマイアミでダルビッシュ(36=パドレス)が音頭を取って決起集会が行われた。日本代表のほぼすべての選手が参加したものの、大谷は欠席。トレーニングをするためだったと言われている。
プロなのだからカネを優先するのは、ある意味当然。決起集会で仲間と飲み食いするより、試合で結果を出すために必要なことをやろうという選択も理解できる。意気に感じるとか、義理立てするといった思考とは縁遠い大谷だからこそ、メジャーでタイトルを狙うような成績を残せるという気もしてくるのだ。
エンゼルスはトレードのために、ただでさえ少ない若手有望株を放出した。大谷の再契約にはメジャー史上最高額、800億円とも1000億円とも言われる大金がかかる。仮にエンゼルスが大谷と再契約を結べば、それだけで資金が枯渇するわけで、大物の補強はまず、期待できない。つまりプレーオフを狙えるような、今年以上の戦力を整えるのは至難の業だ。
ファンも球団の雰囲気も好きだが、「それ以上に勝ちたい」という大谷にとって、今回の補強が大きな意味を持つとは思えない。トレードの目的より何より、重要なのはトレードによってもたらされる結果なのだ。