テニス、マラソンの変化についていけない日本メディアの前時代感
そうした環境の変化を率直に感じたようだ。テニスだけではない。駅伝、マラソンで、厚底シューズの開発競争により記録の概念が変わったことは以前に書いた。
記録だけではない。8月にメキシコシティーマラソンで参加者の3分の1、1万1000人が“不正ゴール”とのニュースが流れた。大阪、名古屋と同じ世界陸連ゴールド大会だから何か手違いだろうが、マラソン歴40回の元メキシコ大統領候補のコメントが面白かった。
「今のマラソンは、参加者全員が絶対ゴールしようと考えてスタートするわけじゃない。日頃の練習をしっかりした条件で確認する、雰囲気を味わう、参加賞が欲しい、いろいろいるんだ」
ひたすら「オリンピック代表」を連呼する日本のスポーツメディアは、こうした変化、多様化にはついていけないようだ。その証拠に、ジャパンオープンの会場は大会史上最高の観客で埋まったが、プレス席だけはガラガラだった。