プロ初参戦の国際大会は試合直前のバスでビデオを見せられ…対策も何もあったもんじゃなかった
メンバーは、西武、オリックス、大阪近鉄、福岡ダイエー、日本ハム、私が在籍していたロッテからそれぞれ1選手。当初セ・リーグからは派遣されないと聞いていたが、ヤクルトから古田敦也さん、広島から野村謙二郎が参加した。巨人と阪神からの派遣はゼロ。各チームに温度差があった。
急いで決戦の地・韓国へ飛んだが、事前に相手の情報はなく、試合会場に向かうバスの中で対戦国のビデオを見せられ、「この投手がたぶん今日の先発です」と言われる程度。対策も何もあったもんじゃなかった。
予選リーグ2試合は大勝したものの、決勝リーグに進むと、一気に緊張感が増してきた。上位2チームがシドニー五輪に出場できるため、許されるのは1敗のみ。2敗したら絶望である。プロアマ混成の日本に対し、最終戦の相手の韓国はオールプロのチーム編成だ。つまり、初戦の台湾戦は絶対に負けられない戦いになる。
さっそく球場入り後に開始時間が変更となるアクシデント。そんな中、先発したのは、絶対的エースの松坂大輔(西武)だった。「4番・DH」で出場した私は「大輔なら大丈夫」とタカをくくっていたが、三回に1点を失い、ベンチは静まり返った。