「横浜愛」貫いた筒香嘉智 巨人決定的報道後に「ベイスターズに戻ることに決めました」と報告された
これだけの逸材だから、地元の強豪・PL学園から熱心に勧誘されていた。他の関西の強豪校からも声が掛かっていたというが、彼は私にこう言った。
「松坂大輔さんたちの活躍(1998年の甲子園春夏連覇)を見て憧れていた横浜高校に入りたいんです」
自宅のある和歌山から自分の意思で横浜にやってきた。ドラフト前も「横浜ベイスターズに行きたい」と希望球団を明かしていた。そんな「横浜愛」が強い男だけに、巨人には入らないと思っていた。
米国で苦しんだ理由は「タイミング」だ。本人にも伝えているが、米国時代はグリップをホームベースの上に構え、そこから引くために差し込まれていた。「始動が遅いから、グリップを頭の後ろに置いて構えたらどうか」と助言したこともある。近年、悩まされていた腰痛も「もう完治しています」とキッパリ言っていた。
横浜スタジアムは両翼94メートルと狭く、開幕から秋口まで、シーズン中のほとんどの期間、左打者には「ホームラン風」が吹いている。途中加入でも「30本塁打」はノルマだ。NPB通算205本塁打の筒香が加入すれば、本塁打の少ない打線の厚みも増すだろう。