120キロ台「速球」で台風の目に 浦和実エース石戸颯汰をプロスカウトはどう見たか
28日の準決勝で智弁和歌山(和歌山)に敗れた浦和実業(埼玉)。初出場ながらベスト4入りを果たした原動力のひとりが、エースの石戸颯汰(3年)だ。
MAXでも130キロそこそこ、常時120キロ台の“速球”ながら、初戦の滋賀学園(滋賀)で6安打完封勝利を収めると、18イニング無失点の快投。この日は智弁和歌山相手に失点したものの、足を大きく上げて上体をのけぞらせ、頭の上から角度をつけて投げ下ろす変則フォームで、対戦相手をキリキリ舞いさせた。
“遅い速球”と縦に大きく割れるカーブで、ネット上では「令和の星野伸之」と呼ばれている石戸。本人は試合後、「勝てる投手になって、夏に帰ってくる」と話したが、プロのスカウトはどう見ているのか。
セのあるスカウトは「面白い投手です」と、こう続ける。
「フォームが変則的でタイミングが取りづらく、打者の手元でピュッと伸びる。打者にすれば高めの絶好球だと思って振ったら、想像以上に差し込まれるのでポップフライになってしまう。飛ばない金属バットの影響もあるでしょう。もう少し、球速がアップすれば、という投手です」