「ド・ローラ節子が語る バルテュス 猫とアトリエ」夏目典子、NHK出版編
画家は友人から「猫の王」と呼ばれ、自身も「猫は私の守護神であり、私自身、猫の生まれ変わりなのだ」と語り、その作品には多くの猫が登場する。そんな氏の猫にまつわるエピソードを交えながら、猫が登場する各作品の解説や、同じく画家でもあった母親が、猫を抱いた8歳のバルテュスを描いた作品なども取り上げられる。
さらに60年代にフランスの文化大臣の要請で日本古美術展の作品選定のために来日した画家と夫人とのなれ初め、死の直前、アトリエで娘を交えて3人で過ごした奇跡のような濃密な時間など多くの私的エピソードを交えながら、その芸術世界を案内してくれる。
▽バルテュス展 ~6/22 東京都美術館
7/5~9/7 京都市美術館
(NHK出版 1400円)