冬の京都の路地を歩こう!編

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 著者は、「路地細道を歩くとお目当てのもの以外に新たな発見があるかもしれない」とつづる。本書を片手に、さらなる「温もり」を求めて冬の京都を旅したい。

(幻冬舎 780円)

■「京都の路地まわり道」千宗室著

 茶道裏千家家元が、ちょっとした物事に目を留め、考えたことをつづったエッセー集。

 京都では夕方の薄暮れ時を「カワタレドキ」と呼ぶそうだ。「カワタレ」は「彼は誰」。人の顔の見分けがつかなくなることを指す。路地では「周囲の寺の土塀がかぶさるせいか、(中略)あれよあれよという間に夜になっていく」とつづる「寒の始まり」。底冷えがする日、「一枝梅花和雪香(いっしのばいかゆきになごみかおる)」とつぶやき、ほっこりするのだと明かす「夜へ走る」。「清酒とつまみのサキイカの匂いがどんより漂う一角に、子ども向けのお菓子が置いてあった」と述懐する「駄菓子屋の記憶」など。

 京都の粋人だからこその心眼が冴えわたる。


(ウェッジ 1300円+税)

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