「話虫干」小路幸也著

公開日: 更新日:

 故郷の馬場横町市立図書館に司書として就職した糸井は、館長から副館長の榛(はしばみ)と「話虫干」をするよう指示される。榛から見せられた図書館の蔵書である夏目漱石の「こころ」を開くと、途中からまったく異なった物語が展開していた。それが「話虫」の仕業らしい。「話虫干」とは、物語の中に勝手に入り込んで、その内容を勝手に変えてしまう話虫を虫干しすることだという。「こころ」の物語に入り込んだ糸井は、後に「K」と呼ばれる桑島や圖中(となか)の学友に、榛は後に「先生」の妻となる静さんのお花の先生となり、登場人物たちの人生に寄り添いながら、話虫の行方を捜す。

 名作へのオマージュから生まれた長編小説。(筑摩書房 740円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末